2014年 04月 06日
この週末は名古屋までムシャクロツを見に行ってきました。 どんなんなっているのだろう?と興味が有ったからです。 去年から、ツルマンを利用してムシャクロツが発生し、越冬に成功しました。 外来種であるということから、なごや生物多様性保全活動協議会が駆除を計画、4月5日は発生地である名古屋市西区新川沿いのツルマンを除去するとのことでした。 ツルマンも外来種ですが、国内でいたるところで見ることが出来、野外でもクロツが利用しているので、このブログでも何回も登場している植物です。 さて当日、とらおさんをピックアップし目的地の新川河川敷にびゅーんと到着。 河川敷に降りると、ツルマンが沢山生えていました。 これを全部除去するのか? ムリっすな~。 天気は良いものの寒気が入り肌寒い状況下、飛ばずに草に止まっているに違いないと静止個体を探しながら歩きました。 と、向こうに人がいらしたのでご挨拶、@豊明さんでした。 初めまして、でございます。 ムシャクロツを確保したそうなので見せていただきました。 在来種のクロツより黒スポットがはっきりとしており、本州に住む近場の亜種との区別は容易に出来ます。 どちらかといえば、九州北部沿岸に住むクロツに近いイメージを持ちました。 でも、違います。 その差は、ヤマトシジミとシルビアの差くらいです。 長崎市で撮影した黒スポットの発達した個体と比べてみましょう。 ね、違うでしょ。 地色はグレーに白が浮いた感じ、クロツは低温期には地色が黒くなりますので、それと同じ特徴なのか? 或いは、ツルマン食いなので、グレーになったのか? 高温期の顔を見ると分かるのでしょうが、調べきれていません。 お話をしながら、ど手際を見て歩いていると、おったーとの一声、寒いのに活動しているんですね、驚きました。 草に静止しているとの先入観、ダメダメでした。 撮影させていただきました。 次は駆除の様子です。 外来種なので、駆除の対象になっても仕方がないとも言えますが、 いつも耳にする、”殺すなんてかわいそう”との感情は何処に行ってしまったのでしょうか? 人って矛盾な生き物だと思いました。 正義は正しいのか? 考え方は色々ですが、そこにいるべき種では無いことは間違いなく、放蝶が悪いことであるとの啓蒙活動になったでしょう。 今回は種レベルで違うので、わかり易いのですが、在来種が居なくなりそうな場合、他地域から持ってくること、これも同じで、やってはいけない事だと思います。 ギフチョウが直ぐに思い浮かびます。 同じ種だからええやんとのご意見が有るでしょうが、地域によって特徴ある個体群が生息し、区別できるのですから、私は同種でも違うものだと考えます。 今回も日本在来のクロツだったら、対応はどうなったのだろう? 愛知県にはクロツが住んでおり、静岡県の県境近く、一部では保護されています。 また、ホタルやあゆの放流、似たようなものですが、お金が絡むと別物なんでしょう。 前置きが長くなってしまいました。 現場では、ツルマンをひっくり返すと言う作業が行われていました。 総勢230名もの方が集まったそうです。 作業中です。 作業後です。 ひっくり返す目的は卵やら幼虫を撲滅させることだそうです。 画像を見てお気づきでしょうか? 全てでは無く、一部を残しています。 これは、餌を無くしたムシャクロツを拡散させないためだそうです。 対岸も手をつけないとのこと。 主催者に何点かお尋ねしました。 Q1 除草剤や、殺虫剤を使わないのか? A1 環境へ影響があるので、使えない。 Q2 在来のクロツと混ざるの? A2 分からない。調べられていないためで、答えが出た時には手遅れになる可能性がある とのことでした。 しっかし、多くの人が集まりました。 どうやってPRしたのだろうか? すごくうまくやったんでしょう。 テレビ局もやってきていました。 その時の報道内容です。 可能性があるって・・・・ 確かにそうだけど・・・・・ 曖昧だけれども、本当らしく、嘘ではない。 自分も仕事上、顧客に使うな~。 それにしても、ムシャクロツに罪は無いのに、悪者扱い。 この報道は、間違っていないけれど、正解ではない気がする。 かわいそうなムシャクロツ。 外来種なら、今回の舞台の新川にミシシッピーアカミミガメが沢山いるし、セイヨウタンポポもあるんだけどね。 ちなみにですが、中京テレビのムシャクロツは@豊明さんが採集されたもので、このブログの個体と同じもの、動画の個体は私の生態写真と同一個体です。 撮影風景。 合計5社のテレビ局がやってきていたそうですが、一番フットワークが軽かったのがこの中京テレビさんで、採集されたとの情報を聞いて、ツルマンはがし部隊とは対岸になる私たちの所にやってきて、現物を押さえていかれました。 さすがです。 ロケ用のテレビカメラ、外に持って行って走り回るにはチト重い。 大変ですなー。 こんな画像を載せるのはNG?ダメだったらコメントください。 対応します。 最後に、 個人的な感想ですが、外来種であるムシャクロツを世間に周知させるため、主催者はこのような企画を設けたのではなかろうか。 人の手による二次拡散を防止するためです。 だから、ムシャクロツを悪者扱いにした。 広範囲にあるツルマンの一部を剥がす事で、撲滅できないことは、主催者側は百も承知、状況をみると分かります。 私も感じたように、全部を剥がすことは無理です。 このムシャクロツのことは蝶屋に広く伝わっています。 見たことが無い蝶を採集したいと思う方も多くいるでしょう。 クロツであれば、この1化の時期は比較的同時に親が発生するので、採集圧のダメージが大きいと言われています。 現状、その採集圧にさらされているムシャクロツはどうなってしまうのだろうか? 居なくなるか、居着くか?、どちらとも言えませんが、秋には多数の個体が飛んでいるような気がします。 幸い、近くに在来のクロツは居ませんし、多分ですが、交雑する事もないでしょう。 そして、オリジナルは少数でしょうから、世代を繰り返すことで血が濃くなって、何時かは消滅するのではなかろうか? いずれにしろ、注視していきたいと思います。
by shimabito3
| 2014-04-06 22:45
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Comments(2)
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K.M
at 2014-04-09 07:52
x
入ったのが明治時代より前だったらなかよいお友達だったのかな?
では、ニジマス釣り堀に行ってきます。
0
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shimabito3 at 2014-04-09 22:26
外来種との位置づけはおんなじでしょうけど、目の敵にはされなかったでしょうね。
ニジマスは釣れたでしょうか? |
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